2010年3月22日月曜日

住宅

Y-GSAの住宅シンポジウム
NSビルにて行われたデザイナーズ集合住宅の過去現在未来
BankArtにておこなわれた坂本一成氏のレクチャー

この三つが最近非常に印象的でありまた、一連のイベントが
自分の中では一つに繋がったようで大変興味深かった。
いかにその流れをまとめておきたいと思う。

時系列的に追うと、最初がYGSAの住宅シンポジウムである。
正直にいえば分からない語句が頻繁に出現し、専門的な部分のかなりを理解することができなかったイベントであるのだが、
それでも印象に強く残るのは、山本先生の「なんで日本の住宅はこうなった?」
という問いの連発。それとともに、近代の欧米諸国の住宅の計画の紹介から派生した議論で
これまた山本先生の言葉であるが「欧米の住宅の計画には、建築で国民の文化を教育しようと
いう、描いている生活の理想が見えてくる。その一方で日本の戦後行われた51C型であるとか
住宅の計画には果たしてそれがあったのか」
という言葉が非常に印象深かった。
都市に対する建築の立ち位置を考える上で住宅という切り口で大切に解いていこうとする
山本先生のスタンスから他のパネリストとは違う力強い意欲を感じた。

次がデザイナーズ集合住宅 であるがシンポジウム1は上記のYGSAシンポジウムと日程が
同じであったため参加できなかったのであるがシンポジウム2 には途中からではあるが
参加し、話を聞くことができた。

シンポジウム2では 集まって住むことの広がり をテーマに成瀬・猪熊氏や
ブルースタジオの大島氏などの実際の集合住宅計画をもとにしたレクチャーが行われた。
ここでは集まって住むことの形としてシェアハウスの計画が多く紹介されたのであるが、
そのどれもが今の都市で住まう新しい形の提案として魅力的であり大変面白かったのである。
レクチャー後のディスカッションではブルースタジオのレクチャーで紹介された、
「集合住宅そのものに世界観を持たせてやる。そうするとその世界観を好むような住人があつ
まりそこはすごくいい関係がつくられる。」
という設計趣旨に対して「建築が住み手を限定する」ことへの疑問があげられた。
この疑問に対しては、コンテクストから連想される世界をそこに作り上げることで、強制では
なく、その地域の土地性の強調がはかられる。というものであったと思う。

また、シェアハウスという形式そのものに対する
「そういった生活を好まない人も多くいるのではないか?」
「建築による強制力が強すぎるのでは」
という疑問もあがった。

しかしそこで僕が思い出したのは先のYGSAのシンポジウムでの「建築が暮らしを教育する」
というフレーズであった。
現在のマンション形態での暮らしの増加がこの「どうしてかこうなってしまった都市のひどい
風景」と暮らしを作っているのだとしたら、シェアハウスのような共有する、空間の占有では
ない暮らしが、新たにこの国での暮らしのスタンダードとして教育されて行くのも一つではな
いだろうか。と。

プライベートを確保すべく空間を占有する時代から、空間をひらき、共有する時代に今移り行こうとしているのではないか、と思うのである。

そうこう考えているところに、BankArtにて行われた坂本先生のレクチャーで
「コモンというものを取っ払って行く」というフレーズが現れた。

レクチャーの内容は「軌跡」というテーマで坂本先生の手がけた計画をおっていったもの
なのであるがほとんどが住宅の計画についてであり、
先生が住宅において「閉じた箱」を考えるうちに次第にそれを「開いて行く」
ようになっていった という思考の変遷と作品の軌跡も大変面白かったのだが、
なによりも先ほどあげたように「コモンをなくしてやる」という考えが、
またその後のディスカッションでのコモンで住宅と都市との関係を切り開こうとする山本先生
との議論が興味深かった。

坂本先生はオートロックのようなシステムによってできるマンション内のコモンを例に、そういったコモンが都市と住宅との関係を邪魔している。
として、プライベートとしての住宅と
パブリックとしての都市をダイレクトに繋ぐことが豊かな暮らしを設計する と主張された。

とはいえ先生の紹介した「ダイレクトに都市と繋がる集合住宅」の計画は山本先生も指摘されていたが、
巧みに計算した結果のコモン的空間が住宅の周りに存在しているように感じた。
つまるところコモンを都市に展開するような建築をつくる坂本先生と
コモンを建築に内包した上で、都市に配置する山本先生。というスタンスのさではないだろうかと。


と 以上のように住宅に関するレクチャーを受け考えを巡らせた訳であるがまとめるに、

これまでの住宅の計画に対する疑問と問題提起がYGSAでむくり と起き上がり、
住宅建築が国民の文化をつくり教育するものなのでは という考えが浮かぶ。

デザイナーズ集合住宅によってそれに対する現代の回答手法が提案された。
それは空間のシェアの可能性であり、新しい暮らしの形の提案であり教育の提案である。

そして坂本先生のレクチャーで、開いて行くこと、あいまいな空間を作ること。
そして山本先生との議論で、コモンスペースの有用性と 住宅と都市との具体的繋がり方とは
という問題があらわれる。

と。いう流れであった。
何にせよ非常に面白い住宅に関する三つのイベントであった。
この考えの流れに乗って「地域社会圏」にはいりたい。

読了の後にはまたまとめたいと思う。
今日はここまで。

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